標準契約条項の改定版(新SCC, Standard Contractual
Clauses)を付属書として含む、欧州委員会実施決定(2021/914及び2021/915)が2021年6月より施行され、越境移転の当事者間で新たな合意を締結するに際しては、新SCCに依拠することが必須となっています。
新SCCでは、多数の当事者間で締結される場面や、利用場面の拡大を考慮して、モジュール制が採用され、以下の4つのパターンが想定されています。
・モジュール1(管理者・管理者間)
・モジュール2(管理者・処理者間)
・モジュール3(処理者・再処理者間)
・モジュール4(処理者・管理者間)
一つのひな形が公開されていて、各モジュールごとに該当する条項がピックアップされるスタイルが採用されています。
ここでは、新SCCのフォーム(英文・和訳)を含む各決定のリンクを紹介しています。
【2021/914】
・(原文)EUR-Lex(EU法データベース)にて公開
・(和訳)JETROウェブサイトにて公開
【2021/915】
・(原文)EUR-Lex(EU法データベース)にて公開
・(和訳)JETROウェブサイトにて公開
EUデータ保護指令下で、越境移転を行う多くの日本企業によって利用されてきたのが、標準契約条項(旧SCC, Standard Contractual
Clauses)でした。GDPRの施行後も、継続して利用されてきましたが、2021年6月、新たな標準契約条項(新SCC)が採択されるとともに、旧SCCの廃止が決定されました。
旧SCCから新SCCへの切り替えには事業者側の移行準備のために18ヶ月の猶予期間が設けられていましたが、猶予期間は2022年12月に終了しており、現在、旧SCCによる合意は無効化されています。このため、切り替えが未了の場合、事業者は早急に新SCCへの切り替えを行うか、十分性認定その他の越境移転を合法化するための根拠を整理する必要があります。
ここでは、参考資料として旧SCCのフォーム(英文・和訳)のリンクを紹介しています。